2014年11月10日月曜日

制作室7から引き揚げ

小屋入り準備のため、京都芸術センター制作室7とお別れです。
最後の返し稽古のあと、大道具・小道具を搬出し終えた制作室7は、このとおりがらんどうになりました。
全ての家具がなくなると広く感じます。


13日からいよいよ本番になります。
それでは、劇研でお待ちしています!



2014年11月9日日曜日

明日は小屋入り



いよいよ、明日からピエールとリュースの一同はアトリエ劇研にて公演準備に入ります!


舞台上は、ごく普通の 「私たち」 の日常ですが、不意に紛れ込んでくるのは戦争の話題です。


100年という距離は、はるか昔でも、遠く離れた、でもない、たった100年でしかないのかもしれません。


本番は13日から、全9ステージの長丁場です!

皆様のご来場、心よりお待ちしています!

http://ticket.corich.jp/apply/58913/

2014年11月6日木曜日

稽古場日誌 <通し4回目>

来週の月曜日から小屋入りですので、稽古もいよいよ終盤戦です。
今日のメニューはまず、平岡さん、八木さん、柳沢さんの三名で終盤~ラストの下りの動きと演技を確認します。小道具類の使用のタイミングも入念に計っていきます。その後、田中さんが加わり、本舞台のプロデューサーである制作の杉山さんが見守る中で通し稽古となりました。




シーン練習ではうまく運んだようにみえたシーンも全体の中に置くと、見え方が全然違います。また、役者の声量や、セリフとセリフの間の間が少しでも稽古と違ってしまうだけで、作品の全体的な質が簡単に変わってしまいます。
通しの後はダメ出しです。どこをどう修正するか、細かい指示が出されました。いよいよ正念場という感じです。

週末にかけて畳み掛けるように通し稽古のスケジュールが入っています。皆様に、今まで観たことのない物語を体感して頂けるよう、がんばっています!

2014年11月3日月曜日

稽古場日誌 <また逢う日まで鑑賞会>

3回目の通しを終えて、さて、今日の稽古はどんな・・・?
とあごうさんを待ち構えていましたら、稽古場に入ってくるなり急にテレビの方へ。(このお芝居ではテレビが登場するのです)そしてスッと一枚のDVDを差出し「ちょっとこれ見ない?」と。
それこそ、かの名作「また逢う日まで」でした。

「また逢う日まで」とは、1950年に製作された邦画です。ロマン・ロランの反戦小説『ピエールとリュース』を水木洋子と八住利雄が翻案・脚色し、今井正が監督した恋愛映画(by wikipedia)―――なのです。
登場人物や内容はかなり脚色が加えられていますが、主人公のピエールとリュースの物語の根幹はそのままで、ピエールにあたる青年を岡田英次、リュースを久我美子が演じています。

あごうさんのPCを備え付けのテレビにつなげて部屋を暗くし・・・


すっかり稽古場ではなく、ホームシアターの様相を呈しています。
ともかく、この映画のパッケージ写真にもなっており、日本映画史上最高のシーンの一つとして有名な「ガラス越しのキス」をきちんと見ようではないか、ということで、頭からラストまでしっかり鑑賞しました。

つまり、これまでこの映画を観たことがない状態で作ってきたのですが、観終わってみて、演技や演出のプランが、びっくりするほど重なっているところが発見されて一同驚きました。
戦後間もない60年前にこの映画を製作したスタッフ陣と、今回の演劇を作るスタッフ陣が原作から感じ取ったものが、案外近いところにある、のかもしれません。

この有名な映画をご覧になったことがある方はぜひ、今回上演する「ピエールとリュース」から、映画が語っていることと重なっている部分、あるいは少し、異なっている部分を発見してみてください。

そうすることで、何重にも物語をお楽しみいただけるのではないかと思います。

2014年11月2日日曜日

稽古場日誌 <通し3回目>

一週間ぶりの通し稽古でした。
音響オペの奥村さん、照明の池辺さん、舞監の浜村さんのお三方も来られ、いよいよ本番間近といった雰囲気です。




そろそろ、ネタバレ防止のため舞台側のお写真をのせたり内容に突っ込んだりすることができなくなってきつつあるのですが、大道具、小道具、衣装も着々と整っております。
写真は大道具の位置をめじゃーで測る浜村さん・・・にしたかったのですが写真を撮り損ねてしまったのでPCで再現。。。


浜村さん、変なことさせてしまってすみませんでした!
ともあれ、通し稽古は無事終了しました。地道な返し稽古の結果が実を結びつつある感じです。
本番まであともうちょっとです。

2014年10月31日金曜日

稽古16日目 <差し入れ>

10月もいよいよあと1日となりました。今日はハロウィンですね。
稽古の方は、昨日に引き続き、段どりの確認作業と返し稽古が続いています。

出演者の1人である田中遊さんのTwitterに、ピエールとリュースの事が書かれていました。

ピエールとリュース
「熱狂もなく…、ただ、
戦争を憎みながら、兵士として各人がなすべきことをする」
熱狂によって戦争が始まるのだとして、その熱狂がなくなっても戦争はおえられない。のでしょう。苦戦中です。

例えば俳優の仕事はセリフを覚えて、それを人前で上手に話したり、あるいはセリフに合った動きをしたり、と、簡単に言おうとすればそういう事になってしまうのでしょうげれど、もしそれだけであれば、田中さんのように、たった一行のセリフについてこんな風に悩む必要はないはずです。

たった一行のセリフについて考えた全ての事が全て観客席まで伝わる事は難しいかもしれません。逆に、観客席から舞台の上で起こっている事を全て見つけることも難しいけれど、それでも出演者の皆さんは、そんな風に出来る限りロランの言葉へ近づこうとしています。

さて、腹が減っては戦ができぬ、というのとハロウィンにちなんで、本日は稽古場に頂いた差し入れをご紹介したいと思います。
最初のころにベビースターラーメンをご紹介しましたが、ピエールとリュースの稽古場はお菓子に事欠ない現場です。

今までいただいたもの(@くださった方)をピックアップしますと、

・キャラメル@造形の原さん
・チーズケーキ@田中さん
・ごぼうかりんとう@柳沢さん
・赤福@八木さん
・ちんすこう@稽古場見学に来てくれた高校生(近江くん)

等々。わりと甘い系が並んでおります。
平日の稽古時間3時間半のうち、トータルの休憩時間が平均20分程度と、わりとタフな現場ですが、みなさんからのカロリーをエネルギーに変えて、本番までののこり二週間、集中力をあげてがんばってまいります!

2014年10月30日木曜日

稽古15&16日目 <通し2回目>


今回は2日分の様子をレポートしたいと思います。
まず、今週の月曜日の夜、ピエールとリュースの2回めの通し稽古を行いました。前回は前半部しか通さなかったので、初めてラストまでやってみたことになります。
通し稽古の前に衣装合わせ。それぞれ持ち寄ったり購入した衣装を着て、あごうさんがイメージ通りかどうか判断してゆきます。可能な限り大道具と小道具も配置します。とにかくお芝居は段取りとキッカケの積み重ねで出来てゆきますので(というようなことをあごうさんはよくおっしゃいます)、少しでも多く、早く「実際に使うもの」を決めていかなければなりません。まだ全然道具が揃いきってはいないものの、できるだけ揃えてよーいドンと始まりました。


さて、通しの内容をうけて、次の日からさっそくダメ出しと再構成です。段取りのうまくいかなかったところ、ふわっとして決まりきっていなかったところはやっぱりお芝居が流れたりガタガタしてしまうということで、冒頭から一つずつ動きを確認していく地道な作業が始まりました。その積み重ねの様子をみると、お芝居を作る仕事は、職人仕事なのだなと感じます。次回の通しは今週末です!


2014年10月28日火曜日

10/27 出演者紹介(?)番外編


今回のピエールとリュース、実は昨日で出演者の紹介が終わってしまいました。

なので本当はこれから佳境にさしかかる稽古についてどんどん紹介していきたいのではありますが、その前に今日は番外編として、今回の演出であるあごうさとしさんの紹介をいたします。


普段は無人劇として、俳優の登場しない演劇を公演しているあごうさんですが、今回は若手からベテランまで、たった4人ですが幅広い出演者の皆さんと共に公演準備を進めています。

あごうさんのプロフィールは

複製技術の演劇を主題にデジタルデバイスや特殊メイクを使用した演劇作品を制作する。

と書かれていて、今回は登場しませんが、ロボット演劇に関わったり、特殊メイクで舞台上に登場したり、出演者のいない舞台に映像を映写したり、とにかくピエールとリュースの世界とは遠くはなれた場所のような気がします。


ロマン・ロランによって書かれた100年前の日常が、そんな現代的な演出家による演出で、アトリエ劇研で新たによみがえります。
皆さんぜひとも足をお運びください!


2014年10月27日月曜日

稽古14日目 <役者紹介④ ヒデユキ・スコブルスキー・平岡さん>

ピエールとリュース、小屋入りまであと二週間となりました。稽古もいよいよ折り返し地点です。
さて役者紹介、最後はこの方、ヒデユキ・スコブルスキー・平岡さんです。

休憩時間にチョコをキメているスコブルスキー氏。


ピエールの父を演じるスコブルスキー、もとい平岡さんは今回のメンバーの中ではベテラン中のベテランですが、このとおりひょうきんなキャラクターで皆をなごませてくださいます。稽古中も思いがけない場面で面白いアドリブを入れて、演出のあごうさんが笑いこけてしまうこともしばしば。

原作では、平岡さん演じる「父」は厳格そのもので、ピエールとフィリップの若い二人の行く手に立ち塞がる大きな壁として君臨しています。この役を平岡さんという役者さんが演じられることで、象徴としての「父」というだけでなく、新たな人間味が加わっています。その結果、物語における「父」の役割は、原作を文字で読んだ印象よりも繊細になり、現在に生きる私達が共感しやすい、というより、父を通して物語の理解を深められるような、橋渡し的な存在になっていくのではないかと思います。
原作ではワンシーンしか登場しない父ですが、今回の舞台では、かなりの長い時間、平岡さんの美声を聴くことができそうです。
ぜひお楽しみに、劇場に足をお運びください。

2014年10月26日日曜日

稽古11&12日目 <役者紹介③ 田中遊さん>

稽古場日誌、そろそろ役者紹介再開いたします!
今回は、ピエールの兄役、田中遊さんです。

自身の演出する正直者の会.labの公演の準備をしながら今回の公演は俳優として参加されています。普段は作、演出、そして俳優として関西を中心に活躍されています。
例によって詳しいプロフィールはホームページ上のプロフィールをご覧ください。


稽古終わりの田中さんです。
写真で皆様にも雰囲気が伝わるかと思いますが、スッとしておられます!

軍人ピエールの兄を演じられていても、もちろん声も力強いのですが、ただそこに立ってピエールと対峙しておられるだけでふつうに説得力があります。
そんな田中さん演じるフィリップと、八木さん演じるピエールが二人で差し向かいで話すシーンがございます。お坊ちゃんなピエールと、現場でまさに戦っている軍人フィリップの関係性の妙にはとてもリアリティと可笑しさがあり、お楽しみいただけるのではないかと思います。
一回目も通しも終わり、兄弟、そして父子の雰囲気も面白くなって参りました。ご期待ください!



2014年10月25日土曜日

10/24 リュース/タリー


ロマンロラン研究所の方から聞いたお話です。

今回の 「ピエールとリュース」 のヒロインであるリュースにはモデルがいます。

サリーという名前の女性、フランス語の呼び名ではタリーとなります。


タリーはアメリカ人の女優で、どこか神秘主義的な思想を持っていて、そういったタリーの事をロランは 「ちょっといかれた」 と証言していたらしいです。


タリーは決して知的な女性ではなく、どちらかと言えば狂信的な面を持つ、ある種の奔放さを携えた方だったそうですが、それに有り余る女性的な魅力があったそうです。

ただ、タリーは当時まだ20代、そしてロランはその時すでに50代に差し掛かろうとする年代だったそうで、二人は互いに愛情を持って、長い年月、文通をしていたそうなのですが、それはあくまで友人として、結ばれることのない関係を続けていたそうです。


今回の 「ピエールとリュース」 は、ロラン自身が、タリーにささげた、と公言しています。
物語的にも、決してむすばれることのない、幸せな結末を迎えることが困難であることを互いに自覚しながら、それでも〈二人はしばらくお互いを見つめあ〉い、そうして、あのあまりにも有名なガラス越しのキスをする、そんなシーンを昨日の稽古の最後に取り掛かりました。



勿論、また逢う日まで、の映画を知ってる世代の人なら知っている、そして、そんな映画もロマンロランも知らない人にしてみたら、あまりにもベタなシーンだと思ってしまうだろうその有名なワンシーンについて、あごうさんから出演者の皆さんにこんなお話がされました。

「シーンをそのままやってしまえば、ある程度の盛り上りはあるにしても、一瞬で終わってしまうし、しかも、あまりにも有名なこのシーンを今あらためてやることに、何かしらの含意がなければならない」

正確な書きおこしではないですが、概ねこのようなことをあごうさんは話していました。
もちろん、そのシーンは、というよりも、ある意味ではそのシーンこそがピエールとリュースであり、また逢う日までそのもので、映画の中では大々的にクローズアップされているものの、実は、これを演劇でやろうとすると、ほんの一瞬の短い時間で終わってしまいます。

ロランを知る人や、また逢う日までを見ていた世代の皆さんにとって、ただ懐かしいだけで済ませたくはないし、それを知らない若い人たちにとって、昔っぽいなんとなくクサくて綺麗っぽいだけのシーンで済ませることのないという思いから、ガラス越しのキス、というそんな一瞬のために稽古場の時間は使われていきます。

たった一瞬のシーンのために、稽古場では何度も同じことを繰り返し、その繰り返しの中で、少しずつ演劇が出来上がっていく過程について、ロランが好きだったベートーベンが楽譜を何度も何度も書き直し、そのためベートーベンの楽譜はものすごく汚かった、というような逸話がありますが、あごうさんをはじめ、出演者のみなさんの台本も、どんどん書き込みが増えて読みづらいものになっていました。

ロランはピエールとリュースをタリーに捧げましたが、アトリエ劇研で上演するピエールとリュースは、観客席に座る皆さんのために、今日も稽古を続けています。

予約も段々と増えてきています、まだの皆さんもお早めに、劇研までお問い合わせ下さい。
皆さんのご来場お待ちしています。






2014年10月24日金曜日

稽古10日目 <初通し(前半のみ)>

稽古場日誌10日目。
前半部の初通しということで、役者全員集合のうえに音響の小早川さん、照明の池辺さん、造形の原さんの御三方がお越しになり、いつもより賑やかな稽古場になりました。
小早川さんのスピーカーとミキサーが配置され、実際に音楽や効果音が試験的に流される中、冒頭から一幕の終わりまで通していきました。

ちなみに、ピエールとリュースは二幕もので、その一幕だけやると言うと、ちょうど半分のように聞こえるのですが、実は第一幕が全体の2/3程度を占めています。

さて、役者四人揃い踏みでの稽古はちょうど一週間ぶりとなりました。ベテランのお二人・・・平岡さんの固い地盤のような重厚な声と、田中さんの存在感があってこそ、八木さんと柳沢さん演じるピエールとリュースがその若々しくあぶなっかしい雰囲気が一層引き立ちます。
今回の演出では、登場人物がいろいろと生活感ある動きをしながらセリフを喋るので、稽古すればするほど動きのキッカケや段取りが増えてゆきます。やっていることは、私達も普段やっている日常の動きなのに、舞台の上で自然に見えるようにしようとすると非常に難しいのです。
それを一つづつ確実にこなしてゆく役者の皆さんですが、今までシーンごとに作っていたため、すこし噛み合わなかったり段取りがすっぽり抜けている場面も出てきたので、通しの後に返し稽古で調整してゆきます。


稽古場の一風景・・・。チラチラと道具が見えています。
生活感を表現する手法として、今回は基本の「衣食住」がキーワードになってきます。いろいろなキーアイテムを実際に稽古場に持ち込んで試してみて、アイディアを拾い集めながら、稽古は進んでゆきます。まだまだどんな完成形となるかわかりません、ピエールとリュース。区切りとなった第一回通しを終え、ここからどのように発展していくのでしょうか。

2014年10月23日木曜日

10/22 今回の公演についてご紹介



既にチラシをご覧になった方は知っているかもしれませんが、今回のピエールとリュース、元は小説で、それを翻訳をしたのが、チラシの写真で大きく紹介されている、波多野先生です。その波多野先生については、アトリエ劇研のホームページにこんな風に紹介されています。

「1924年10月生まれ。京都大学文学部卒業。大阪市立大学教授、帝塚山大学教授(演劇論、仏文担当)を歴任(1995年3月まで)1984年自宅を改装し「アートスペース無門館」を開館、同人会を組織し1995年まで運営。1995年「アートスペース無門館」閉館、1996年4月同スペースを「アトリエ劇研」と改称、館長に就任。
2003年6月特定非営利活動法人劇研設立、理事長に就任。2012年、平成23年度京都市芸術功労賞を受賞する」

普段、劇場を使っていただいている皆さんでも、なかなか波多野先生にお会いすることは無かったりしますが、実は、もともと、アトリエ劇研は、波多野先生のご自宅だったことはご存知でしょうか?
またもやHPから
「劇場「アトリエ劇研」は京都市の左京区下鴨の閑静な住宅地の中に位置する民間の小劇場。館長である波多野茂彌(はたのしげや)の自宅を改装し1984年に「アートスペース無門館」としてオープン、1996年に「アトリエ劇研」改称し現在に至る」

自宅を改装し、と書かれているように、元々はここは普通のお家があっただけの場所でした。そのアートスペース無門館から数えて丁度今年が30年の節目になります。なので、今回の公演にはいつも長々と

『アートスペース無門館+アトリエ劇研30周年記念公演』

と銘打っております。

では、どうして、ピエールとリュースなのか、というと、これはチラシの裏から引用ですが、
「昨年秋、館主の自宅をプロデューサーと訪ねた。
劇場30周年を記念して先生の翻訳作品を上演したいと考えています。
どの作品の上演を望まれますか。
私たちがそう尋ねると、先生は書斎に引き込まれた。
ドアの隙間からは、広い部屋を、所狭しと埋め尽くしている書棚と蔵書がみえた。
しばらくして、一冊の本を手にでてこられた。
少し震える手で、差し出されたのが
「ピエールとリュース」であった。
この本は先だった友と書いたものです。
か細い声で、私に託された。」

そんな30周年に上演される、ピエールとリュースについて、今更ながら、一体どんなあらすじの小説なのか、皆さんにご紹介いたします。

「舞台は第一次世界大戦下のパリ、ドイツ軍の空爆のなか、良家の息子であるピエールと、生活費を稼ぐための絵を画くリュースが、互いの離れた境遇や戦時下での状況から、偶然の地下鉄での運命的な出会いをしながらも、結ばれることは困難であると自覚しながら、それでも想いを募らせていく」

これがピエールとリュースのあらすじで、こう書かれてもよくわからない、という気がしますが、波多野先生はもっと純粋に、こう話します。

「反戦劇とか、そういうものじゃないんですよ。戦時ゆえに出会った、少年と少女の愛の物語なんです」

11月に上演されるピエールとリュースやアトリエ劇研について、色々とごちゃ混ぜでご紹介しました。

皆様のご来場、お待ちしています。


2014年10月22日水曜日

10/21 稽古9日目 <父>

ピエールとリュース稽古9日目は、主役二人に加え、ピエールの父役の平岡さんが参戦です。
この三人の稽古は初組み合わせとなりました。
また本日は、音響の小早川さんが稽古場にお見えになりました。

さて、実は元の台本では、リュースが『父』と会話するシーンは一切ないのですが、今回仕掛けられたとある演出により、リュースとピエールと父の三人がお芝居上で絡むシーンが実現することになりました。
主役二人でこれまで作ってきた、恋人たちのほのぼのとした雰囲気が、平岡さん演じる『父』の登場によって、とたんに思わず観ている方が吹き出してしまうような面白さを含んだシーンに早変わりしました。ピエールと父親が戦争について議論する場面も、父の圧巻の迫力によってなんともいえない空気感が出現していました。

役者の皆さんのアイディアと偶然の積み重ね、それを拾って活かす演出家のタッグにより、ピエールとリュースはどんどん面白くなっています。
明日は一週間ぶりに四人揃っての全体稽古です!

2014年10月21日火曜日

10/20 稽古8日目 <役作り>

さて、ピエールとリュース稽古8日目は前回に引き続き、中盤、ピエールとリュースの二人が仲を深めてゆく場面を中心にした内容となりました。
若い二人が自分の生い立ちや思いの丈を吐露する長台詞が続きます。難しいのは、普通に演じても「それっぽくやっている人にみえるだけ」なところです。観た人に役を納得してもらうには、演じる俳優はその一歩先に踏み込んで、自分の中に役とセリフを落としこまなければなりません。
特にこのシーンはただ愛や恋を語るのではなく、現実に彼らが直面している戦争、徴兵、貧困、家族について彼らがどういう思いを抱いているかをストレートに言い表すセリフ群が連なり、これらを通して若い彼らの人生観や、時代観がこのシーンに表現されてしまいます。

この日、ピエール役の八木さんはかなり悩ましい様子でした。
字面だけみると非常に重い内容の長セリフを、極めて軽く表現するよう演出から指示が飛んだからです。狙いはシンプルですが、演じる方は相応の納得できる理由を自分の中に見つけなければなりません。
『役者がセリフをどう言えばいいのか全然わからなくなったとき、まずやってみるといいのは、何も考えずにただまっすぐセリフを言うこと』、とはあごうさんのアドバイス。
ピエールのキャラクターも、この一週間で一度でもテンプレートのように決まっていたことはありません。稽古が進むにつれて、キャラクターの人間性も少しずつ変容し、深みを増してゆきます。



本日の写真は稽古場でプチ人気を博しているおやつ件小道具のベビースターラーメンです。ピーナッツが入っております。
悩んだら立ち止まって、時にはおやつ(件小道具)をつまみながらの役作り。最終的にどんなピエールが舞台に立っているのでしょうか。ご期待ください。

2014年10月20日月曜日

2014/10/19 明倫ワークショップ② 地続きの100年



明倫ワークショップについて。
後半は、ロマン・ロラン研究所の皆様や、京都芸術センターの予約フォームからご予約いただいた皆様へ、アトリエ劇研ディレクターであり当公演の演出のあごうさんから今回の公演について、どんなことを考えているのか、どんなふうにロマン・ロランを読んでいるのかなどを語っている写真から。


ロマン・ロランの戯曲の上演をしている団体は見たことがないし、そんな話も聞いたことがない。演劇に関わる知人に尋ねても、誰も見たことがないという。
そういった内容から始まったあごうさんのお話に対し、研究所からお越しいただいた宮本ヱイ子さんも、今はだれもロランの本は読まない、過去の人になってしまったのかもしれないし、新聞記者でさえその名を知らない人も多い、とのこと。ただ、それを嘆いているようでは無かったのは、ロラン没後70年、第一次世界大戦の開戦から100年の今日において、納得できるものであるということなのかもしれません。


それはロランの作品の知名度や戦争から遠く離れたことだけではなく、戯曲、小説に書かれている言葉の一つ一つに、私たちの日常からは程遠い、文語的な修飾語についても、果たしてこの「美しい」言葉を、今の私たちがどんなふうに声にするべきか、という問いから、あごうさんは今回の公演のある核心について「ネタバレですけど」と語り始めました。


100年も前の戦争や、言葉、恋愛など、それが舞台上に立ち上がる工夫について、ここではあまり書けませんが、私たちの日常では感じることのできない100年の隙間を、実感を伴った今として捉えるような新しいピエールとリュースの読みをあごうさんはお話しされ、そこで語られていたのが、100年という距離についてでした。


シェイクスピアであればもう昔過ぎてそれは全く別物なのだけれど、100年前の戦争や恋愛は、私たちの日々とまだ地続きの今なのかもしれない、ということを語り、そして、その地続きの100年を経た今、このピエールとリュースを公演する意味があるはずだ、と話しました。


100年も前の事について、例えば第一次世界大戦について、多くの人はそれを教科書の文字でしか知らないし、たとえばこの稽古場ブログが、いくら頑張って書いたとしても、稽古場で起きている出来事をすべて伝えられないように、文字に書かれたものを読むことは、臨場感を伴わない、どこか他人事のように感じるものになってしまいます。100年前とは、赤レンガの東京駅舎が完成し、桜島が噴火し、カチューシャの唄がヒットした年です。

しかし、決して短くはない100年という時間の隔たりを、それでもこれは今のことであるとあごうさんは語ります。

なぜなら、100年という時間は、ロランが小説を書き、宮本正清が翻訳しそれを日本に広め、波多野茂彌がアトリエ劇研を創設し、そこで数々の公演がなされ、かつては観客だったはずのあごうさとしや出演者が今年その舞台に立つことになって、もしその舞台を見た観客席の誰かがいつか舞台に立つとすれば、確かに100年という時間は、脈々と今と繋がっていて、きっとこれからも続いていく、そんな時間でもあるからです。


〈時間も空間もぼくにとってはさして存在していません。昨日もなく、明日もなく、すべてが今日みたいなのです〉
とロランが語ったことは前に書きましたが、まるでそんな風に、そしてロランとは違うやり方で、100年も前の、そしてたった100年前の作品をアトリエ劇研で上演いたします。

ご予約はブログからでもHPからでも、もしくはお電話で劇研までお問い合わせください。
皆様のご来場お待ちしています。





2014年10月19日日曜日

2014/10/18 明倫ワークショップ① ロランはすべてを許してくれる



10/18、京都芸術センターにて、明倫ワークショップが開催されました。

私たちピエールとリュースの稽古は、京都芸術センターの制作室という場所を利用させていただいています。そうして、その制作室でいったいどんなことをしているのか、ということを広く皆様に紹介するというのが、この明倫ワークショップです。

今回、私たちはロマン・ロランのピエールとリュースを公演するにあたって、京都で60年以上の活動を続けている、一般財団法人ロマン・ロラン研究所から、宮本ヱイ子さんをお招きし、ロランの文学、思想、人物像など、様々なお話をいただく機会を頂戴しました。

宮本さん自身がアトリエ劇研の館長である波多野先生と旧知の仲というご縁があって、このような機会に恵まれたわけですが、今日と明日は二日にわたって、今回の明倫ワークショップでのお話をここで書いていこうと思います。

写真は、ご登壇いただいた宮本ヱイ子さんから、ロマン・ロランについてを話していただいているところ。



写真正面の赤い後ろ姿はピエール役の八木さん、その右隣はリュース役の柳沢さん。左側で立ってお話しされているのが宮本さんで、その横には演出のあごうさんも座っています。

八木さん、あごうさんは宮本さんのお話に耳を傾け、柳沢さんは研究所からお持ちいただいた貴重な資料に夢中になっています。

こののち、あごうさんから今回の公演のプランについて皆様にお話をされ、そのことについてはまた明日の記事で書こうと思っているのですが、この派手な格好の八木さんがピエール役であることに、宮本さんをはじめ、研究所からいらしてくださった皆様もひどく驚いておりました。

小説に書かれるピエールのイメージは細くすらりとした凛としたイメージ、少なくとも文学として描かれた言葉から読み取れるものとは離れた佇まいを八木さんは持っています。

あごうさんから皆さんに説明されたのは、
「オーディションで美男子な人もたくさん来たのだけれど、八木君の弛緩した雰囲気にかけてみた」
のだそうです。
あごうさんからのその説明を受け、皆さん納得しながら、私たちの賭けを許してくれたようでしたし、そのことに皆さんがどんなふうに思うのか、初めは不安もあったのですが、そこで宮本さんからお話をいただいたのは、ロラン自身、矛盾だらけの人だった、ということでした。

戦争や平和について語るとき、ロランは情熱的で、平和のために自分の言葉で戦おうとしたのにもかかわらず、理知的で、人間の理性を信じ、人間の精神を信じながら、一目ぼれをして愛に生きた情熱的な一面、音楽や演劇などの芸術を愛し、教師になるほど学業にも励めた知性の人。

音楽を愛したピアニストであり、ハムレットが大好きだった劇作家であり、そして平和を愛した情熱的な文学者であったロランは確かに、多くの矛盾を抱えた人だったのかもしれません。

ただ、ピアニストでも文学者でも学校の先生でもない私たちが、ロランが見たまま同じように、ロランとまったく同じように何かを考えることはできません。日本でいま、ピエールとリュースを上演するためには、私たちはロランの目を借りながら、全く新しいピエールとリュースを作ろうとしています。

宮本さんや研究所の皆さんが、私たちが作ろうとしている新しいピエールとリュースを、新しいピエール像を楽しみにしてくださったようでした。ただそれは、ごく当たり前のピエールとリュースにはならないかもしれない、ということでもあります。

ロランはすべてを許してくれる、と帰り際に宮本さんが口にされました。


2014年10月18日土曜日

10/17 ロマンロランと芸術



ロマン・ロランは文学者です。

これは間違いないのですが、ロランの発言を調べると、文学に並んで、音楽についての言説が多くあります。

ロラン自身が小さな頃から母親の影響でピアノを弾いていましたし、その腕前は、コンセルバトワールの優秀生と間違われる程の実力だったそうです。若い頃から音楽を愛しながら、専門教育を受けなかった事で、自分は音楽家にはなれないのだ、というような発言もしていたみたいです。
ジャンクリストフはベートーベンをモデルにした小説です。ロランは文学という形で、自分の音楽を表現していたのかもしれません。


また、ロランのキャリアは劇作家として出発しています。

シェイクスピアを熟読し、「オルシーノ」という戯曲を最初に書き、ギリシャ神話などを題材とした戯曲などを次々と書き続けました。
絶対的な英雄ではなく、悩みながら少しずつ成長してゆく主人公は、例えばロランが大好きだったハムレットの影響もあるかもしれません。


そんな多角的なロマンロランについてのレクチャーが本日おこなわれました!そのレクチャーについてはまた明日、このブログでご紹介します!

2014年10月17日金曜日

10/16 稽古7日目 <古典と向き合う>

ピエールとリュース、稽古も7日目です。先週の水曜日に初顔合わせ、次の木曜日から本格稽古となりましたので、今日でちょうど稽古開始から一週間ということです。

今日も主役二人の稽古です。中盤のピエールとリュースが仲を深めていくシーンを丁寧に作っていきますが、これがなかなか上手くいきませんでした。

まず段取りとして、セリフごとに、時には文節ごとに細かく区切って動きやセリフの言い方が指定されてゆき、そのとおりにやってみようとしますが、何かが足りない。
二人の醸しだす「空気」を確実に作るにはどうアプローチすればよいか、と、昨日に引き続き、再び演技を止めての話し合いになります。やはり役者の実感が伴わなければ、本当にそれを舞台上に実現することはできません。
百年前のテキストには、当時18歳前後であった少年少女の叫びが書かれていますが、叫びの中には現代人である我々には到底引き受けられない部分もあります。その引き受けられない部分を、なんとなく引き受けられたかのように、それっぽく演じてしまうのではなく、受け入れられないことをそのまま表現すればよいのではないか、と演出家が語ります。
難関ですが、いわゆる「古典」という大きな壁に向き合うときの一つの姿勢として、「引き受けられないことを自覚する」ことが、大事であるのかもしれません。


先週の今ごろ、もちろんこのような椅子も机もありませんでした。なので、このまた一週間後の舞台はまた違ったものになっているかもしれません。

古典と向き合いながら、作っては壊し、作っては壊しを繰り返し、最終的に舞台がどのように出来上がってくるのかは、まだ誰にもわかりませんが、ぜひとも楽しみにしながらお待ちいただければと思います。

2014年10月16日木曜日

10/15 稽古6日目 <戦争>

10/15 稽古6日目

今日はピエールの兄・フィリップ役の田中遊さんの登場シーンを中心にした稽古となりました。
兄のフィリップは、若い二人とはある意味真逆の世界を生きている人です。
原作でフィリップは、既に一下士官として前線の第一線で戦っているところを、一時的にパリの本部に戻され、そのさなかに自宅に戻り、ピエールと会います。

従軍することが決まってはいるが、まだどこか遠い世界のことのように戦争を語るピエールと、すでに軍人であるフィリップは、経験値がまるで違います。戦争を現実に知っているからこそ複雑な心境を抱えるフィリップと、無邪気な正義をかざすピエールの一対一でのやりとりは、終盤の一つの見どころです。
何度かシーンを通したあと、演出家から「もし自分が戦争に行くことになったら、単純に、どうする?」という問が役者陣に投げかけられました。この日、稽古場にいたメンバーの年齢は二十代前半から三十代後半までですが、その答えは人によってかなりの隔たりがありました。


「人は殺せない」という実感を持つ人、逆に「単純な反戦運動に疑問を呈さないこと自体がおかしい」という実感を持つ人。しかし、いずれもその理由は納得のできるものです。いざそうなったときに、どうするのか。日常を、いかにも日常らしく送ることに一生懸命な私達は、普段そのことを考えないように、あるいはふと考えてもなるべくすぐ忘れてしまうようにしてしまいます。しかし、それは私達のすぐそばにいつも存在しているものなのかもしれません。

ピエールとリュースの物語をご覧になるお客さまにも、観たあと心にふと喚起されるものがあればと願っております。


2014年10月15日水曜日

10/14 稽古5日目 <役者紹介② 柳沢友里亜さん>

ピエールとリュース稽古5日目。
今日も稽古場には主役の二人。後半戦の二幕、中盤~ラストシーンまでの基礎づくりです。
稽古場ではテキスト半分、残り半分はほぼ役者のアドリブのような形でシーンを作っていくのですが、お二人ともアイディアが豊富で、積極的に動いて形にされるので、このセリフがまさかこう生きるとは!と驚くような偶然の一致が次々と生み出されてゆきます。

さて、今日の役者紹介は、リュース役を射止めた柳沢友里亜さんです。この稽古場では一番お若い、現役大学生です。



「写真を取らせてください」とお願いしたら、おもむろに座り込んでこんなポーズをとってくださいました。

舞台の外でも中でも、いつも自然体で笑顔の絶えないところも柳沢さんの魅力ですが、稽古場の柳沢さんといえば、外せないのが、その靴です。
運悪く、本日は普通の運動靴で来られたので実物をお見せすることが叶いませんが、高確率で、相当に履き古されて年季の入った白い靴を履いてこられます。どれくらいかというと、持ち上げると靴底がぺろんと落ちてくるくらいです。
この靴をして「柳沢さんってリュースそのものだよね」とあごうさんに言わしめた柳沢さん。家ではお料理もされるそうで、休日の稽古時にはお弁当や自家製にんじんジュースをシーン中に食べておられました。
今回のピエールとリュースでは、登場人物たちの日常の”生活感”が演出上のポイントとなってくるのですが、柳沢さんは若い女の子らしい、かつ非常に生活感のあるアイディアをどんどん演技に盛り込んで来られます。
柳沢さんの家庭的な一面が、リュース役にどのように生きてくるかも見どころです。

2014年10月14日火曜日

10/13 稽古4日目  <役者紹介① 八木光太郎さん>



こんにちは。ピエールとリュースの稽古も4日目です。

今日は主演二人で午后1時〜午后19時(テキストでは"午後"は"午后"と書いてあります)までの長丁場。ときどき10分程度の休憩を挟みつつ、集中してシーンを重ねていきます。

さて、3日目までは、百年前にフランスで書かれたテキストの世界観を、そのままに、演じる。
ということをやっていたのですが、4日目にして、大方向転換が行われました。
あごうさんが役者さんにある指示を出されました。役者さんは最初は戸惑った様子でしたが、とにかく、その感じで中盤まで作ってみよう、ということになり、探り探りで少しずつシーンを作って行きます。最初は、これはいったいいつまでかかるのか、気の遠くなるような大変な仕事になるのでは、とみんなが感じましたが、不思議なことに途中からシーンがスムーズに流れ始め、最終的にテキストの終わりの方までその指示のもと、再構築が成されました。
おそらく、今まで誰も見たことのない21世紀のピエールとリュースになるのではないでしょうか。


ところで、稽古のお話はこのくらいにして・・・
このブログで、順番に役者さんの紹介をさせて頂こうと思います。

八木さん含め、他の俳優の皆様と演出家のあごうさん、波多野先生のプロフィールも、本日からピエールとリュースのホームページで公開されております。

トップバッターは、ピエール役の八木光太郎さんです!
八木さんを肩書からご説明しようかと思いましたが、上記のページに書いてありますので、そっちをご参照いただくとして、ここでは稽古場の八木さんについてご紹介します。




写真撮らせてくださいとお願いしましたら、「鼻から下ならかろうじてOK」と許可をいただきました。

見ておわかりいただけるかと思いますが、ユニークなTシャツをたくさん所持されている、おしゃれな方です。4日分のTシャツを私がすべて思い出せそうなくらいインパクトが強いです。

そして八木さんは、「全然ピエールらしくないよね!」とはあごうさんの談です。

原作のピエールは、おそらくシュッとして、色素が薄く、ちょっと女の子みたいになよっとした紅顔の美少年を想像させるような書かれ方をしているのですが八木さんは、言ってしまえば真逆のキャラクターです。
稽古場ではよくそのことがジョークとなり笑いを誘うのですが、ところが八木さんがピエールの歯の浮くような台詞を読むと、(本人はめちゃくちゃ恥ずかしいと仰いますが)聞いている方にはほとんど違和感がないのです。ピエールをなぜか今風の若者テイストで演じてしまえる、すごい俳優さんです。そんな八木さんのピエールを、どうぞお楽しみにしてください。

しつこく何度もお願いしたら、お顔も見せてくださいました。ピエール!




2014年10月13日月曜日

2014/10/12 明倫ワークショップのお知らせ。



・プレレクチャー『ロマン・ロランについて』

・開催日時 2014年10月18日(土)14:00〜
・場所   京都芸術センター制作室 7  
・料金   無料
・ご予約  京都芸術センターからご応募下さい。 → 京都芸術センターリンク


登壇者  宮本ヱイ子 さん(一般財団法人ロマン・ロラン研究所 業務執行理事)

アトリエ劇研『ピエールとリュース』公演に先立ち、ロマン・ロランについてのプレレクチャーを行います。
そのイベントにあたって、京都で60年以上の活動をされている「一般財団法人ロマン・ロラン研究所」より、宮本ヱイ子さんにお話いただける事となりました。
アトリエ劇研の前身、アートスペース無門館時代の劇場についてもご存知で、我々の知らない当時の劇場やロマン・ロラン研究所での日々の活動、勿論、ロマン・ロラン、ピエールとリュースについて、当公演の演出でもありアトリエ劇研新ディレクターのあごうさとし、アトリエ劇研プロデューサー杉山準を交えながら、多義に渡る貴重なお話を聞かせて頂きます。

ロマン・ロラン研究所からお越しいただく宮本ヱイ子さんは、ロランの数々の本を翻訳した宮本正清先生のご夫人で、また、宮本ヱイ子さん自身も里山保全活動についての書籍などを出版されています。
宮本正清先生と当館館長の波多野先生とは古くからのお知り合いで、今回の公演のお話をさせて頂くと、宮本さんも快く承諾していただきました。


ロランについては、反戦平和や、反ファシズム、理想主義、など、様々な難しい言葉で語られると、どことなく難しい人だと感じたり、取っ付きにくそうに思われるかもしれませんが、

〈恋は決闘です。右を見たり、左を見たりしていたら敗北です〉

と言うロランの言葉はどことなくユーモラスですし、

 〈魂の致命的な敵は、毎日の消耗である〉

というその言葉は、ロランが亡くなって70年後を生きている今の私たちにとってさえ、切実な臨場感を感じる言葉かもしれません。

ご予約は京都芸術センターのサイトより受付しております。
皆様のご来場お待ちしています。







2014年10月12日日曜日

2014/10/11 ロマンロラン 名言(?)



先日、ロマンロラン伝という本を読んでいたら、こんなことが書かれていました。
〈時間も空間もぼくにとってはさして存在していません。昨日もなく、明日もなく、すべてが今日みたいなのです〉

どうしてこの言葉を引いたのかといえば、ジャン・ジャック・ルソーが全く同じことを「孤独な散歩者の夢想」という作品の中で書いています。
過去を呼び起こす必要も無く未来を思いわずらう必要もないような状態……いつまでも現在が続き、しかもその持続を感じさせず、継起の痕跡もとどめず……〉


あるいは、ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟の中でこんなことを書いています。
〈彼はいっさいにたいしてすべての人をゆるし、自分のほうからも許しをこいたくなった、それは決して自分のためではなく、いっさいにたいし、すべての人のために許しをこうのである〉

すると、ロマンロランはこう書くのです。
すべては、ある賛歌に終わらなくてはならない。すなわち、生、への、また、死への。さらに在るところの すべてへの賛歌に終わるのである〉


ドストエフスキーやルソーは現代でもたびたび紹介される文学者あるいは思想家であるはずですが、これらの作家と同じように、ロマンロランもまた、二人と同じような文章を書いていました。ルソーの文章なんてそっくりです。

今回の企画は、たくさんの若い皆様に見ていただきたいということで、学生料金が1,300円と低価格に設定してあります。
ドストエフスキーは知ってるけどロランは知らない、という若い人も今は多いのではありますが、ロランについて知らなくても、こんな風に天才たちの言葉は、いつもちょっとだけ似ています。

稽古はほとんど毎日ですが、たまにある休みの日などは、こんな風にロマンロランについてや、今回の公演について、あるいはアートスペース無門館やアトリエ劇研のことなど、少しずつここから紹介していきます。

本日の記事は、京都の文学好きの皆さんに向けて、ぜひとも皆さん、劇場にお越しいただければと思います。


2014年10月11日土曜日

10/10 稽古3日目 〈エッジ〉


京都芸術センター制作室7からお送りします、ピエールとリュース稽古3日目の模様です。

今日で出演者全員が揃うのは二日目ですが、早くも台本を片手に立ち稽古が始まりました。
冒頭の二人の出会いのシーンから、あごうさんの演出が加えられていきます。

この脚本は、元々ロマン・ロランが小説「ピエールとリュース」として世に出した物語を、アトリエ劇研の館長である波多野先生とその友人である小島達雄先生が、演劇の台本として脚色し書き下ろされたものです。台詞だけでなく、本来は観客が直接内容を知ることのない、「ト書き」の部分こそが、あごうさん曰く非常に「エッジが効いていて」読むものの心にじわりと染み入る雰囲気をはらんでいます。

あまりネタバレすると怒られてしまいそうなので、ここまでしか書けませんが、ト書きのはらんだ〈エッジ〉がどのように生かされるがポイントになりそうです。

写真は、今日の稽古で、物語の始まりに配置された椅子と空間です。
一見なんでもないような空間ですが、ここから何が始まるのか・・・こうご期待です!

2014年10月10日金曜日

2014/10/9 稽古2日目

ピエールとリュース、稽古2日目です。
本日は、この作品に演出助手をさせて頂きます、本庄が書いています。
今後も結構な頻度で書かせていただくと思います。


本日はそれぞれピエール役とリュース役の八木さんと柳沢さん、主役二人のみで行う初稽古です。
稽古開始前。東京から参戦の八木さんは、午後2時から稽古場入されていたとのことで、写真は八木さんご持参のなわとびです。


これどうするんですか?と尋ねると、飛びながらセリフを覚えるんですよ、と教えてくださいました。すると、柳沢さんがひょいとなわとびを取って、簡単そうに二重跳びを始められました。身軽で若いお二人です。


この日は、セリフのないプロローグから順に、なるべくト書きに忠実に従いながら、エチュードのような形式で演じていきました。お二人が演技を始めた瞬間に、急に劇空間が出現します。私は机を叩いて[大砲の音]とか[鉄砲の音]を入れたりしていたのですが、お二人の創りだす空気に見入らないように集中しなければなりませんでした。
そうして、まずは素直に演じてみた結果、エキセントリックと言えるほど軽くぶっとんでいるシーンや、逆に、まるでNHKの朝のドラマのようだねと評される静かなシーンもでてきました。


ピエールとリュースのテキストは、今の世にほとんど忘れ去られたような美しい言葉で書かれ、かつ非常にスピーディーに展開します。現代に生きる人間の肌に、意外にも馴染むところもあれば、まったく馴染まなそうな言葉も書かれています。これをどう受けとめ、表現するか、試したり探ったり、時にはじっくりと話し合いながらの最初の三時間半でした。

今後、一体どのようになっていくのか楽しみです。
稽古場でのことはこのブログからご紹介していきます。出来るだけ毎日更新していきますので、ここから稽古場の雰囲気を覗いてみてください。

2014年10月9日木曜日

2014/10/8 「ピエールとリュース」 稽古初日!



前々から準備していたこのブログも、本日より記事が投稿できるようになりました!

それというのも、昨日、京都芸術センターにて、当公演 「ピエールとリュース」 の稽古が始まりました。

出演者の4名、演出助手、当公演の制作の6人、そして演出のあごうさとしさんが揃っての初の顔合わせ、そして、昨日は台本の読み合わせをしましたが、その稽古が始まる前に、あごうさんからは、今回の公演の趣旨や、チラシにもなっている波多野先生について、そしてもちろん、ピエールとリュースという作品やその著者であるロマン・ロランについて、そこに集まったみんなの前で、改めてお話されました。

ロマン・ロランをウィキペディアで調べると、最初に 「理想主義的ヒューマニズム、反戦主義、反ファシズムの作家」 と紹介されていて、実際に、その平和主義や反戦を叫び続けた事は、多くの人に共感されながら、同時に多くの政治的な運動に否応なく良いように使われてしまいました。

ただ、あごうさんは、出演者の皆さんに向けて、こんな事をお話ししました。

「この本は、反戦恋愛小説、というものでよろしいですね? と波多野先生にお尋ねすると、それは違うと言っていました。

反戦なんてそんな堅苦しく難しいものではなくて、ただこれは《戦時ゆえに出会った少年と少女の愛の物語なんです》と波多野先生はおっしゃいました、今回の公演は、可能な限りその波多野先生の言葉に沿って、作品を作り上げていきたいと思います」


今年はロマン・ロラン没後70年であり、
第一次世界大戦が開戦してからちょうど100年が経った年です。


戦争、平和、政治、反戦、さまざまなテーマを駆り立ててくれるかもしれないピエールとリュースは、2014年の今年、アトリエ劇研で新しい 「少年と少女の愛の物語」 として公演されます。

アトリエ劇研の館長でありロマンロラン研究者であり、当公演の脚本を翻訳した波多野先生の言葉と、それを何十年の時を隔てて再び舞台に上げる演出のあごうさとしさん、その舞台上で、100年近く前の「戦時ゆえに出会った愛の物語」 の言葉を上演する出演者の皆さんによって、まったく新しい「ロマン・ロラン」や「ピエールとリュース」が上演されるはずです。

どんなふうに稽古が進んでいくのか、これからこのブログで紹介していきます。
ピエールとリュースのご予約は劇研のHPか、もしくは劇研まで直接お電話お願い致します。
皆様のご来場、アトリエ劇研にてお待ちしています!




2014年9月15日月曜日

アートスペース無門館+アトリエ劇研 開館30周年記念公演 ピエールとリュース


アートスペース無門館+アトリエ劇研 開館30周年記念公演

『ピエールとリュース』

稽古場日誌としてこのブログは準備されています。
すでに検索して見つけてくださった皆様、まことに感謝いたします。

10月より京都芸術センターにて稽古を開始いたします。

その際には、稽古の内容や、稽古風景の写真などなど、ここから随時ご報告いたします。


それまでは今しばらくお待ちください。